1 / 2
シャーリー忍者劇場:光る校章と豪華ブルマの巻
夜の学院。 月明かりが差し込む中庭に、赤いマフラーが風を切って舞った。 「――ふっふっふ! 忍びの道とは、影よりも速く、光よりも――あれ、ちょっと光ってるでござるな?」 黒髪をなびかせ、白い体操シャツに身を包んだシャーリーが、木の枝に飛び乗る。 襟と袖口には豪華な金の縁取り。 そして胸元では、学院の校章が魔法のインクで描かれ、淡く輝きを放っていた。 まるで「ここにいます!」と宣伝する魔法陣のように。 しかも彼女のブルマは、普通のネイビーブルマ―― のはずなのに、両サイドにキラリと光る金色のライン。 走るたび、跳ぶたび、月明かりを反射して「ぴかっ」と光る。 どう見ても「豪華仕様」である。 チェルキーが下から見上げ、あきれ顔で呟く。 「……シャーリー。隠密行動なのに、胸は光ってるし、ブルマまで金ピカにしてどうするの?」 「むしろ逆でござるよ!」 シャーリーは胸を張り、マフラーをばさりと翻す。 「人は光るものにこそ安心する! 『あれはただの体操着の生徒だな』と思わせてこそ、真の忍術!」 「……いや、普通に目立つだけだと思うけど」 その瞬間、校章がひときわ明るく輝いた。 「ぴかーん!」 「ぬふふっ! これぞ学院公認・夜間忍法《自己主張の術》!!」 「……もう忍者じゃなくて、ただの宣伝塔だよね」 チェルキーは針仕事を中断して深いため息をついた。 月夜に映える赤マフラーと金ライン。 豪華ブルマ忍者シャーリーの活躍は、学院中に筒抜けであった。
