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長髪の真実 ― ケティ、引っ張るにゃ
賢者の学院・スカウト科控え室。 夕陽が差し込み、木の床に赤マントの影が落ちている。 シャーリーは鏡の前で髪をすきながら、満足げに微笑む。 「ふひひ……これぞ清純美少女准導師の象徴、長髪の輝きでござるな。 信仰も髪も、日々のメンテが命でござるよ。」 (くるりと髪を指に巻きながら、鏡越しに自分へウィンク) ――そのとき、窓の外から黒い影がぴょんと飛び込み、 軽やかに机の上に着地する。 ケティ(猫すがた):「また自分の髪に説法してるにゃ。変な導師にゃ。」 「むっ、ケティ殿! 猫口調は可愛いですが、 人語で聞かれると威厳が失われるでござる!」 黒猫を持ち上げて、ほっぺたをむにむにするシャーリー。 ケティはするりと抜け出し、 ふわっと人の姿に変わる――黒髪セミロング、赤いリボンを左右で結んだ少女。 そのまま、背後に立つと―― 「ふーん……そんなに長い髪、実用的じゃないにゃ。 引っ張ったら……取れるにゃ?」 「え、いや、それは……ちょ、ちょっと!? あいたたたた!!」 髪を引っ張られて、ばさっと前のめりになるシャーリー 「……変にゃ、かつらじゃないにゃ? 本物みたいにゃ。」 「本物でござるよ!? 心の長髪、魂の絆でござる!!」 「(ため息)ほんと、外見だけは清楚にゃ。」 「ふひひ、それがスカウト流“潜伏信仰”でござる!」
