カオスと団子と安堵の理 ～月夜の元で～

演習地の隅にある古い和室。月明かりが障子を透かし、静かな畳の上に轟少尉（ブロント少尉）が準備した月見の設えが並んでいた。 座卓の上には、轟少尉が誇らしげに並べた 月見団子が山を成している。 団子自体は普通の見た目で、素朴で美味しそうだ。 しかし、その隣にある 花飾りが カオス だった。 ススキをメインに、鮮烈な赤橙色のオニユリが主張し、さらに鮮血のように真紅のヒガンバナ（蜘蛛百合）が、まるで 「 大人の ずるさ への 怒り の 誓い 」 のように 、 乱暴 に 生けられて いる。 「少佐殿！富士見軍曹！月見団子、できました！心を込めて、でも今日は普通に作りましたのでご安心ください！」 富士見軍曹（黒髪ボブ、タイトスカート制服のクールな美人）は、轟少尉の**「ふつう」という言葉が最も** 信用できない ことを 知っていた。 彼女の視線は団子から花へと移動し、ヒガンバナを認識した瞬間、胃の内側から冷たい 恐怖が込み上げた。 富士見軍曹： 「し、少尉……、その赤い花はまさか……」 轟少尉： 「あっ、鬼百合ですね！和菓子に球根を使うって聞いて……」 富士見軍曹： 「ブハッ！（鬼百合と彼岸花が混じってる？）」（胃を抑え、顔色が青くなる） 轟少尉： 「えっ、使うらしいんですけど、今日は普通の上新粉ですよ。……もしかして百合根食べたかったですか？」 富士見軍曹： 「 絶 対 に 混 ぜ な い で 下 さ い ! ! ! ! 」（常識の防壁が崩壊し、絶叫） そのカオスの中心で、リゼット少佐（紫髪、眼鏡のクールビューティー）が冷静に介入した。 彼女の瞳はすでに 全ての 情報を分析し終えている。 リゼット少佐： 「軍曹、私は少尉の調理過程を確認した**。** ユリを使用する要素はなく、ヒガンバナは毒抜き過程で隔離中だ**。** 意図的な混入の可能性もない。よって 安全 。 」 少佐は団子を一つ 手に取ると 、 優雅 に 口元 に 運んだ 。 その動きは冷静な論理に裏打ちされているが、部下を信じる 「心意気」も同時に 表しているかのよう。 リゼット少佐： 「ぱく。うむ。団子 自体 は 美味 だ 。 」 少佐の検食と評価によって、富士見軍曹の崩壊した論理の防壁が再構築され始める。 富士見軍曹は青かった 顔をゆっくりと元に戻し、小さく ため息をついた 。 富士見軍曹： 「…… 少尉 ？ 安心 も 美味し さの うち ですよ ？ 」 そう言って、座卓の下からお重を取り出して 並べる。中に入っているのは、彼女が実務の範囲で高水準にこなした 手 作りの おはぎ だ。 その和の静けさと香ばしい 甘さは**、** 空間 全体 に 「 安心 」 という 論理 を 満たした 。 三つ の 湯呑み に お茶 が 注が れる。 リゼット少佐はおはぎを一口 食べ、難しい 表情で唸る。 リゼット少佐： 「むう、実用 であり ながら 高水準 の 甘味 、 これは 論理 を 極める より カオス を まとめる より 難しい か 」 轟少尉は満面の笑みで、おはぎを頬張る。 轟少尉： 「 やっぱり 軍曹 の おやつ は おいしい です ! ! ! ! 」 月明かりの下、三人の 論理は**、** 富士見軍曹の**「** 安心 」 という 優しさ に 包まれ 、 静かに 調和 して いった 。