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アイピク島調査任務:遺跡のパチモン投射機事件
謎の未来遺跡?の調査任務を受領しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 崩れた石柱の間を抜けると、そこには場違いなほど無骨な機械が鎮座していた。 配線は露出し、表面は煤で黒く、しかし中央の光学レンズだけがかすかに青白く瞬いている。 「……なんか、古代遺跡っていうより、中古電器屋のジャンクコーナーだな」 金髪ポニーテールの少女士官――ブロント少尉が眉をひそめる。 「でも反応あるよ、これ」 ドワーフ神官戦士のチェルキーが槍を支えながらパネルを覗き込む。 隣では熊耳美少女のプーにゃんが、何やら匂いを嗅いで首を傾げていた。 突然、投射機から光が弾け、三人の姿がモニターのようなUIに覆われる。 ブロント少尉の軍服は黒い光沢を帯び、肩には外付けセンサー、ゴーグルが額に装着される。ステータスは、フィジカルアデプト・コマンド チェルキーの銀鎧は黒金のサイバーアーマーに変わり、肩からは魔法陣のような光輪が浮遊。ストリートパラディン そして――プーにゃんは…Tシャツと短パンのまま。 UIだけが、 「ストリートぷーにゃん」 に変わり、 ステータス欄には「クマパワー9999」「モフ度MAX」「謎のクマ玉」とふざけた表示が躍る。 「依頼受注完了。ターゲット:不明。報酬:たぶん何か」 くぐもった機械音声が響く。 しかし次の瞬間、赤い警告ウィンドウが浮かび上がった。 この映写機は自動的に消滅します 3… 「あっ、あれれ!?」 「カウントダウン早すぎっ!」 プーにゃんだけが 「え、なに?」 とぽかんとしたまま。 2… 1… 三人は慌てて廊下を駆け抜ける。ブロント少尉とチェルキーはサイバーパンクな姿のまま、 後方で投射機がギラギラと光を強め、耳障りな電子音が響く。 そして―― 紫と青の衝撃波が遺跡の内部を飲み込み、EMP爆発が発生。 光が抜けた瞬間、ブロント少尉とチェルキーの装備はビフォーの姿に戻り、 プーにゃんは当然ながら何も変わらず、ケロっとしている。 「……物理ダメージ無し、って出てる」 背後の遺跡の上空に、まだ残っていたUIが淡々と文字を表示する。 草原に転がった三人は、安堵と同時に脱力した笑いを漏らした。 「……パチモンくさい依頼だったな」 「でもプーにゃん、全然変わらなかったよね?」 「え、なんで? ぷーにゃんも変わってたくまよ? モフ度MAXって」 三人の笑い声が、遠くで煙を上げる遺跡に反響して消えていった。
