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「少尉」 ーー軍人将棋の最強駒ーー

軍人将棋、それは。 盤面の駒はすべて伏せられ、誰にも正体は見えない。 駒の強さを隠したうえで、ぶつかり合い勝敗を決める。 それぞれの駒の正体を知っているのは、審判を務めるプーにゃんだけだ。 「判定クマ! ブロント少尉の勝ちクマ!」 銀髪の少女は、にこにこと宣言した。 「えっ……また?」 チェルキーは眉をひそめる。 (私の方は、戦車なのに。なんで“少尉”に負けるのよ) 他の駒の強弱や配置から、チェルキーは推測するのだが。 「ルールの深みを知らぬな」 ブロント少尉は澄ました顔で駒を進める。 その後も、ありえない光景が続いた。 「ブロント少尉の勝ちクマ!」 「また勝ったクマ!」 「最強クマ!」 飛行機も、中将も、次々と倒されていく。 「おかしい……あの駒、少尉の筈。そんなに強いわけない……」 チェルキーは額に手を当て、信じられない様子で盤面を見つめた。 そして――決着の瞬間。 「大将、倒したクマ! 勝負あり!」 プーにゃんは、得意げに駒を持ち上げた。 「ちょっと待って! 絶対におかしい! 大将に勝てる駒なんて同じ大将かスパイしか……!」 チェルキーは机に乗り出し、駒の正体を確かめようとした。 プーにゃんが差し出した駒には、たしかに「少尉」と書かれていた。 しかしその横に、子供が殴り書きしたような字で―― 『ブロント』 と書き足されていた。 「普通の少尉じゃないクマ。ブロント少尉だから最強クマ!!」 無邪気な笑顔で宣言するプーにゃん。 「……アンタ、自分で書いたでしょ」 チェルキーはジト目でブロント少尉をにらむ。 「ち、違う!ただ少尉とあったから私も実戦に参加している気分で名前を書いただけで、しょ、勝敗は……審判の、神の聖断だ!」 ブロント少尉は耳まで赤くしながら見苦しく言い訳した。 盤上最強の駒――その名も「ブロント少尉」。 今日もまた、伝説はひっそりと増えていった。

さかいきしお

コメント (32)

T.J.
2025年08月31日 06時54分
thi
2025年08月30日 13時55分
クマ×娘 D.W
2025年08月29日 03時16分
Jutaro009
2025年08月28日 23時56分
Ken@Novel_ai
2025年08月28日 21時29分
よ~みん
2025年08月28日 15時38分
takeshi
2025年08月28日 15時01分
白雀(White sparrow)

小学生かアンタは!

2025年08月28日 14時36分

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