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虹色の守護天使 ―浜辺に降り立つもの―
少尉が、浜辺で佇んでいるレイちゃんを発見してしまったようです。 荘厳な救出劇が始まります。 https://www.aipictors.com/posts/642883 無駄に荘厳な音楽です。 https://suno.com/s/uGh32dnOneHr3pLw ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【通信傍受ログ】 [Rainbow Command] : Rainbow Angel, do you copy? [Rainbow Angel] : This is Angel. Loud and clear. [Rainbow Command] : Angel, we have a visual. One civilian left behind. South beach. [Rainbow Angel] : Roger. Stand by... (pause) I see her. Blonde female, standing exposed. [Rainbow Command] : LZ looks clear. You are free to land. [Rainbow Angel] : Negative. Too dangerous. I’ll descend. [Rainbow Command] : Confirm, Angel? [Rainbow Angel] : Descending. *虹色の守護天使、降臨する。* ――重低音を響かせるローター音。スリングが垂れ、ポニーテールを翻しながらブロント少尉が舞い降りる。 砂浜にぽつんといたレイちゃんは、突然の展開に目を見開いた。 「えっ、ちょ、ちょっと、少尉!!なんで空から!? 」 「レイちゃん!!間に合った!!吊り上げるよ!!」 少尉はレイちゃんに近づくと、手際よくホイスト用レスキュースリングを広げ、レイちゃんの脇にストラップを通す。 驚きで呆然とする彼女の胸元に、自分のストラップを重ね合わせ、正面から抱き寄せるようにして固定した。 [Rainbow Angel] : Target secured. Commence hoist. 「はっ!?なんで、ロープで?」 ――ウインチが作動し、二人の身体がゆっくりと宙に浮かぶ。 「ま、待ちなさい! 私をこんな格好で吊るなんて――!」 とそこで下を見ると、空中である。 レイちゃんは暴れるのをやめた。 少尉の表情はひたすら荘厳、あたかも天から遣わされた守護天使(のつもり)。 レイちゃんは羞恥と屈辱と混乱に震えながら、密着したまま持ち上げられていく。 ――その様子を、浜辺の岩陰からチェルキーとプーにゃんがこっそり見上げていた。 「……すごいね。あれじゃまるで本当に天使様の迎えよ」 くま?、お姫抱っこでお空に昇ってるクマ?」 ――荘厳なアダージョが流れるかのように、ふたりのシルエットは夕空に吸い込まれていく。 浜辺は広くて安全、ヘリは普通に着陸できたんだけど・・・・・・。
