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真・近代5種 ~ブロント少尉のリベンジ~
室内のボルダリングジム。 ブロント少尉は壁の前に仁王立ちし、背後にはドサリと山岳行軍用の重装備が積まれていた。ロープ、ヘルメット、無線機、背嚢、訓練用小銃まで――どう見ても「遊び」に持ち込む代物ではない。 「……うむ、やはり実際の作戦行動と訓練は分けて考えるべきだ」 彼女は腕を組み、深くうなずいた。反省の色は濃い。 そして、次の瞬間―― 「訓練では相応しい格好に着替えなければならぬ」 そう言って颯爽と現れたのは、白い体操シャツに紺のブルマ姿。髪をポニーテールに束ね、足元はスニーカー。あまりにも「学校の部活」感あふれる格好だった。 堂々と壁に取りつき、誇らしげに登攀を開始する少尉。 その様子を下から見上げていた親子の会話が聞こえてきた。 「ママ、あの人……パンツで登ってる!」 「しっ! 見ちゃいけません!」 母親が慌てて子どもの目を塞ぐ。周囲の大人たちも赤面。 だが当の本人は―― 「……ふむ。観客の視線が熱いな」 真剣そのものの顔で、誇り高く登り続けていた。
