盆栽松茸の使徒
「わっ、すごい! 今日もめっちゃ育ってるじゃん!」 チェルキーは緑のポニーテールを揺らしながら、並べた松の盆栽を見て目を輝かせた。 小さな鉢植えの根元から、松茸がいくつもにょっきりと伸びている。 「うーん、この香り! 最高~♡」 彼女は一本をそっと持ち上げると、ふわっと笑顔になった。 その仕草は、食い意地というよりも、料理人としての誇りに満ちている。 「食材ってさ、ただ食べるんじゃなくて、ちゃんと向き合ってあげないとダメなんだよね。 どうしたら一番おいしくなるかって考えるのが、料理人の腕の見せどころ!」 腰には大きなキッチンナイフ、背にはグレイブ。冒険者としての装備を揺らしながらも、彼女の瞳は完全に料理人のそれだ。 「よーし、この子は炭火で焼いてシンプルに香りを引き出すのがいいかな。 いや、待って……土瓶蒸しでじっくり味わうのもアリかも!」 松茸を抱きしめるようにして、チェルキーはにっこり笑った。 戦士であり、神官であり、料理人でもある彼女にとって、食材は信仰であり、探求であり、そして何よりも最高の楽しみだった。
