1 / 2
子猫と魔法とお昼寝と
魔導書のページがめくれ、床に刻まれた魔法陣が紅く輝いた。 黒髪ツインテールの化け猫――ケットシーのケティーは、両手を掲げて叫ぶ。 「"Farrun'ka mestira, Neval to'kethi arcan, S'varra luneth catti, Summora servan'tee— Rrraaaahhh!" ……にゃっ!」 光が弾け、眩い魔力が部屋いっぱいに溢れる。 古代語魔法を操る化け猫が放った「サモンサーバント」。 いよいよ強大な使い魔が現れる……はずだった。 ――ぽふっ。 魔法陣の中央に、ふわふわの黒子猫がちょこんと座っていた。 ・・・・・・。 うにゃ、一緒に昼寝するにゃ すや~ ・・・・・・。
