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シャーリー・クラウン講義劇場:コイン・コレクション講座「信用の錬金術」

学院の講義室。 磨かれた机の上に、ガラスのトレイがずらりと並ぶ。 その中には――どう見てもガラクタにしか見えない“コイン・コレクション”が鎮座していた。 「皆々さま~、ようこそ“貨幣と信仰の比較経済学”講座へ!  本日の講師、幸運神公認・非常勤道化尼僧、シャーリー・クラウンでございますの♡」 学院制服のミニスカートに、ふわりと広がる金縁赤マント。 黒髪ロングの清純美少女が、悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「さて、ここに並ぶのは、私が長年にわたり蒐集してきた、信用の残骸たちでございます~」 シャーリーは一枚ずつ、白手袋の指で摘み上げる。 「こちらは――かつて“幻獣銀貨”としてもてはやされたもの。  ……ね? 勇ましい翼竜の彫刻! ――と、思うでしょう? よくご覧なさい。」 生徒たちが覗き込む。 そこには、どこか間の抜けた笑顔の……パンダ。 「ふひひ♡ “幻獣”とはいえ、竹林の王者にございましたのよ。  経済とは、いつも勘違いから始まるものですの。」 笑いが漏れる。 「お次はこの、王女陛下の肖像コイン。  うつくしいでしょう? うつくしいでしょうとも!」 確かに横顔は凛々しく、王家の誇りを感じさせる……が、 ひっくり返すと――裏面の王女が舌を出して、あかんべー。 「発行当時、王女殿下が“民と共に笑う象徴”を目指されたそうで。  国策ギャグとは恐ろしいものでございますわね♡」 再び笑いが起こる。 そして最後に、ひときわ大ぶりな金色のチップを掲げる。 「こちらは――“ロイヤル・ルーレット・カジノ”の名誉会員章!  ……潰れる前までは。」 チップの中央には、堂々と穴が穿たれている。 まるで、“価値を剥奪された印”のように。 「信用とは、穴が開けば終わり。  いかに輝かしく見えても、一度“信頼”を失えば、  貨幣も人も――ただの金属片に戻りますの。」 今度は笑いもない。 どこか、静かな感嘆が講義室を包む。 「さて、皆さま。ここからが本日の実習ですの。」 シャーリーは懐から、一組のカードと細い糸を取り出した。 トランプ? いや、スカウトの道具のようにも見える。 「貨幣価値とは、“信じる心”に宿る。  ならば、信じることをやめた瞬間……?」 シャーリーが手を翻すと―― 机上のコインたちが一斉に、ぱらりと灰色の紙くずに変わった。 生徒たちがどよめく。 「うそ……っ、全部紙になった!?」 「い、今の魔法ですか!?」 「どうやったんですか!?」 「魔法? ――ふふ、ノンノン♡」 彼女は細く笑って、ウインクをひとつ。 「これは、スカウトのマジック。 つまり、“信頼の演出”ですの。」 そしてシャーリーは、最前列の女生徒に指を向けた。 「そこのレディ。はい、そこのあなた♡」 びくっとした女生徒が、恐る恐る立ち上がる。 「この“紙くず”を――改めてご覧あそばせ?」 女生徒がそれを手に取った瞬間。 紙くずが、きらり、と冷たい光を放つ。 「っ!? こ、これ……!」 「プ、プラチナ貨幣……!? 本物……ですっ!」 シャーリーは片目を閉じて、軽くお辞儀をした。 「価値とは、信じる心の総意。  あなたがそれを“本物だ”と信じた瞬間、  この世界はそれを――真実に変えるのですの♡」 講義室に、拍手とも溜息ともつかぬ音が広がる。 「ふひひ♡ 本日の講義はここまで。  次回は、“幻の通貨・愛情ポイントの流通機構”についてお話ししますの~」

さかいきしお

コメント (29)

しぃろ@お世話になりました
2025年10月26日 09時26分
thi
2025年10月20日 15時48分
T.J.
2025年10月20日 14時01分
杖先なぎ
2025年10月20日 08時38分
早渚 凪

胡散臭さの塊みたいな人が信用を講義するのか・・・

2025年10月19日 15時37分
takeshi
2025年10月19日 14時10分
ガボドゲ
2025年10月19日 13時27分
五月雨

袋に金貨を詰めて…コレでブラックジャックの出来上がりですわ🤤 ふんぬっ!

2025年10月19日 13時18分

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