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謎のメダルと聖なる道化

シャーリーが魔王さまの宝物庫を荒らし、もとい棚卸します。 魔王さま、お仕置きしてください。 https://www.aipictors.com/posts/664835 お仕置きしておきました。誰得ですが・・・・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 魔王城の奥深く、財宝が山と積まれた保管庫は、シャーリー・クラウンのお気に入りの場所だった。 きらめく金貨、鈍い輝きを放つ銀貨、そして古びて「ちいさな勲章」と呼ばれる薄い金属片の山々が、道化の知的好奇心をくすぐる。 今日は「財宝の棚卸し」と称し、魔王様公認でこの宝の山を漁れる日だ。 だが、シャーリーには別の目的があった。 「ふふふ……魔王様、シャーリーめは、とんでもないものを発見いたしましたわ!」 普段から剽軽にして軽薄、それでいて冷静な魔王城の道化が、興奮気味に声を上げた。 玉座に深く腰掛け、退屈そうに指先で遊んでいた魔王――名は魔王さま。 艶やかな黒髪に紅玉の瞳、天使の輪っかと、妖艶な薔薇の気配、そしてどこか儚げな美貌を持つ若き女性だ。 「ほう? シャーリーがそこまで言うとは、またけったいな物だろうの?」 魔王さまが訝しげに目を細める。 シャーリーは満面の笑みを浮かべ、手に持った一着の衣装を高々と掲げた。 それは、あまりにも潔いデザインの、まばゆいばかりに輝くビキニだった。 「これこそ、『しんぴのビキニ』! 魔王様のお召し物にこそ相応しいかと存じますわ! **交換景品の謎アイテム、**もとい、お宝の中から発掘いたしましたわ!」 シャーリーの提案に、魔王さまの眉がピクリと動いた。 「しんぴの……ビキニ? またしても、けったいなものを……」 魔王さまは眉間のシワを深くする。 「余は魔族性ゆえ、聖属性の衣装は纏えぬ。そのような布地の少ない服は性分に合わぬ。また何やら怪しい企てのようだが?」 困惑と、わずかな羞恥が混じった声で、魔王さまが答える。 しかし、シャーリーはここで引き下がるような道化ではない。 彼女の目は、獲物を見つけた狩人のように輝いていた。 「ご冗談を! わたくしシャーリーめはよこしまな行いはせぬこと、魔王様が一番よくご存知のはず!」 シャーリーは自信満々に胸を張る。 過去にも、この道化は勝手に財宝を動かして巨額の利益を上げ、 その手柄をネタに城の予算とは別に豪華な報酬(そして奇抜な衣装)をねだってきた実績がある。 「ええ、それよりもご覧なさいませ! 魔族性で着れないのであれば、幸運神の加護がございます聖女たるこの私目が着用すればよろしいのです! わたくしが着ることで、この神具の魔力が解放され、魔王様の戦力がより一層増強されますぞ!」 そう言って、シャーリーは躊躇なく自身のローブを脱ぎ捨てた。 その下から現れたのは、見慣れた赤いケープと、そして彼女が手にしていたばかりの「しんぴのビキニ」だ。 光をまとい、彼女の肌に吸い付くようにフィットするその姿は、神々しさすら感じさせた。 魔王さまは目を丸くした。 「ちょっ、ちょっと待て!! それは女性専用装備……!」 「ふひひひ、着れないのではなくて、着る精神力が足りないのでございます、魔王様!」 シャーリーは満足げに、そして勝ち誇ったように微笑んだ。 まるで「このビキニは、城一の勇気と度胸を持つ私だからこそ着こなせるのだ」と言わんばかりの態度だ。 魔王さまは額を押さえ、深いため息をつく。だが、その瞳の奥には、怒りよりも先に、抑えきれない笑いが浮かんでいた。 「まったく……お主は、余を困らせ、おちょくり、そして揺さぶる。それが、お主の道化としての務めか」 「御意! そして、この衣装がもたらす広告効果で、来月の交換景品イベントの賑わいっぷりを、どうぞご期待くださいませ!」 「よかろう……その格好で、明日から学園で講義でも開くが良い。ただし、風邪をひくなよ、道化」 「もっ、もちろんですとも・・・・?まっ魔王さま」 財宝がひしめく部屋に、幸運神の加護を受けた「しんぴのビキニ」をまとったシャーリーの姿が、きらめくコインの光の中で一層輝いて見えた。

さかいきしお

コメント (25)

しぃろ@リィルゥ&桃音&れもん
2025年10月26日 09時26分
thi
2025年10月23日 14時39分
T.J.
2025年10月20日 14時02分
早渚 凪
2025年10月19日 15時50分
よ~みん
2025年10月19日 15時46分
s024
2025年10月19日 14時43分
凪月 (NATSUKI)
2025年10月19日 13時52分
ガボドゲ
2025年10月19日 13時37分

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