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ブロント少尉、港のブルに乗る
夕暮れの港。 海面が黄金に輝き、風が吹く。 ブロント少尉は赤いスーパーカーの前で腕を組み、 ボンネットに輝く黄金のエンブレムを見つめていた。 「ふむ……牛のマークか。力強さの象徴だな。」 しかし、彼女の視線はもうすでに別の方向を見ていた。 港の奥で、影がゆっくり動く。 キャタピラの唸り、金属のきしみ。 **黄色い巨大な車体ー**だ。 「……あれが本物の“ブル”か。」 そこへ現れたサングラスのチャラ男。 赤いスーパーカーの前に立つ美人に、 声をかけずにはいられない。 「お姉さん、乗りたい? “ブル”にさ。」 少尉、即答。 「はい。とてもかっこいいです。」 「お、マジ? じゃ、乗っていいよ。」 「いいのか。やった~。」 チャラ男は助手席を開けようとする。 だが少尉は軽やかにその横をすり抜け、 港の奥へ一直線に歩いていった。 「え? そっち、重機置き場だけど!?」 少尉は振り返らずに言う。 「うむ、**“ブル”はあっちにいるだろう。**」 チャラ男「あ、いや俺の“ブル”はこっちの――」 次の瞬間、轟音。 ブルドーザーのエンジンが唸りを上げた。 運転席には、金髪ポニーテールの少尉。 完全にノリノリである。 「ふむ。操作性良好。視界も広い。実に機能的だ!」 「お、おい! まさか――」 「――出るぞ、“ブル”!」 ブルドーザーが咆哮し、港を疾走! 潮風と埃の中、チャラ男の悲鳴がこだまする。 「待ってええええ!!」 遠ざかる轟音とともに、 夕陽の中で少尉の声が聞こえた。 「やはり、牡牛は動ける土の上の方がいいな!」
