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和解の団子と髪の魔法
図書室の片隅。棚に埋もれたシャーリーを救い出す喧騒の中、チェルキーが光の玉のように現れた。 彼女の周りには、焼きたての甘い団子の香りが満ちている。 「シャーリーもリリスも喧嘩しないの!!」 チェルキーの、太陽のような、何の裏もない真っ直ぐな声が響き渡った。 ツーサイドアップの緑色の髪が、その生命力の強さを物語るように揺れる。 「ほら、団子食べて落ち着いて!! 喧嘩したら、神様が悲しむよ!」 チェルキーは、二人のプリーストの間に割って入り、湯気の立つ団子をそれぞれに手渡した。 リリスは、**「アンタが言うな」**と叫んだ直後の怒りが冷めきらず、渋々団子を受け取った。 シャーリーも埃まみれのまま、悔しそうな表情で団子を受け取る。 二人は無言で団子を口に運んだ。そして、ふと、無意識のうちにチェルキーのツーサイドアップ姿を見た。 「……」 「……」 二人は団子を飲み込むと、まるで示し合わせたかのように、乱暴に自分のツーサイドアップの結び目を解き始めた。 バサッ! 二人は、**「団子が美味しかったからだ」**という言い訳を胸に秘め、目を見合わせることもなく、静かにチェルキーに頭を下げた。 「ごちそうさま、チェルキー。団子は……美味しかった」 「……拙尼も、満たされましたでござる。ふひひ……」
