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シャーリー麻雀劇場:ダブル役満騒動
シャーリー麻雀劇場:ダブル役満騒動 学院の講堂にて――。 今日も幸運神の説法会、という名目で開かれた麻雀卓に、妙に目立つ黒髪ロングの清純美少女が座っていた。 そう、彼女こそ「幸運のプリースト」を自称する怪しげな道化、シャーリー・クラウンである。 「ふひひ、みなさま~! 本日はわたくしめの幸運の神託にて、この麻雀卓を導いてみせましょうぞぉ~!」 牌を握る手つきはやたらと堂に入り、笑みはどこか胡散臭い。 だが次の瞬間、シャーリーが打ち放った宣言に卓上が凍り付く。 「ロン! ダブル役満、大三元と四暗刻!! さらに赤ドラが六頭でございますぞぉぉ!」 ざわっ。 「……いや待て。赤ドラって四枚しかねぇよな?」 「六枚って、完全におかしいだろ!」 全員の視線が一点に集中する。卓上には――どう見ても裏面の色が違うドラゴン牌が紛れ込んでいる。 イカサマバレバレである。 「て、てめぇ……! イカサマ働いて無事で済むと思うなよ!」 場が荒れ始める、その時だった。 シャーリーはすっと立ち上がり、意味不明なドヤ顔で叫んだ。 「ふひひひ! わたくしめ、何一つ隠すことはございませんわぁぁ! ババーン!」 そう言って制服のボタンを外すと――下から現れたのは、ぴっちりブルマ体操着姿。 観客「「……隠せ!!!!」」 赤いマントが飛んできて、慌てて羽織らされる。 「フフン、これが誠意の証というものでしてよ! しかもただの脱ぎ芸ではありませぬぞ~?」 宣言とともに、彼女の黒髪が金色に輝き始める。 神々しい光を帯びたその髪の内側――そこには**仕込みの白牌(ご飯粒製)**が巧妙に隠されていた。 「女神様ぁぁ! このわたくしめに、さらなる幸運をぉぉ!」 祈るポーズで観客の視線を引きつける一瞬、すり替えは完了。 そしてシャーリーは満面の笑みで、再び手牌を晒した。 「ロン! 四暗刻・大三元・字一色ッ!! ふひひひ! これぞ幸運神の加護にございまするぅぅ!」 観客「「いやいやいや! さっきと牌変わってるじゃねぇか!!」」 「っていうか字一色って言い出したぞ!!」 「光ってんのに胡散臭さ増してるとかどういうことだよ!!」 こうして説法会は、笑いと怒号とツッコミで幕を閉じたのであった。
